証券会社(「金融商品取引業者」)では、お客さまから預託された大切な資産を守り、万が一、証券会社が破綻しても、

そのすべてをお客さまに返還できるようにする仕組み、「分別管理」の制度が整備されています。

分別管理は、文字どおり、お客さまが証券会社に預託した大切なお金や有価証券を、証券会社の資産とは厳格に区分して管理する制度のことです

例えば、上場株式の場合、証券保管振替機構という第三者の機関で区分して管理したり、お金(証券会社が破綻した場合にお客さまに返還すべき額に相当する金銭)は、信託銀行に信託財産として管理されています。

これらのことは、すべて法律で厳しく義務づけられていて、適正に実施されるための充分な対応が図られおり、 証券会社が万が一破綻しても、分別管理があるから、お客さまの資産を全て円滑に返還することができるのです。

分別管理でお客さまの資産はいつも守られています。

ただし、分別管理の義務は、有価証券関連業を営む金融機関にも課されていますが、預金取扱い金融機関が、有価証券関連業務に係る取引に伴って発生するお客さま からの金銭の預託等を当該金融機関の本来の業務である預金として取り扱う場合には、当該金銭は分別管理の対象となりません。

銀行はお客さまから預かった金銭を他の会社などに貸し付けて運用していますので、預かった金銭の大部分はどこかに融資されているのが普通ですから、お客さまの預金と銀行の資産とを分けて管理しておくことはできません。

それに対して証券会社は、お客さまの資産を契約により確実に管理し、これを勝手に他に貸し付けたり運用したりすることはできません。

同じ預けるという言葉を使っても、銀行に預金 として預けるのと、証券会社に株式や債券等を預託するのとでは、内容が違うのです。

それで、証券会社には分別管理が義務づけられているわけです。

お客さまから預託を受けた資産は、証券会社自身が保有する資産と、管理場所を明確に区分して、 かつ、お客さまの有価証券については、何が誰のものかがすぐに判別できるように管理することが、金融商品取引法で義務づけられています。

お客さまから預託を受けた上場株式等は、そのほとんどが振替機関である証券保管振替機構で管理されています。

証券保管振替機構には、証券会社を含む数多くの金融機関が参加して、それぞれの参加者別に口座を開設しています。

例えば、証券会社の場合は、証券会社の自己分とお客さまの分が、コンピュータシステム上の帳簿(振替口座簿)の記録により判別できるように管理されています。

証券会社が預託を受けた金銭には、株式などの買付けに充てるための金銭や、売却代金や償還金など一時的に預けたままになっている金銭があります。

こうしたお客さまに返さなければいけない金銭は、「顧客分別金」として、信託銀行に信託しています。

これは、例えば、証券会社が破綻したとき、金銭を預託したお客さまは、その返還を請求することはできますが、他の一般債権者と一緒に証券会社に残った財産から分配を受けることになります。

そこで、こうしたことからお客さまの資産を守り、スムーズに返還するために最も安全な方法として、顧客分別金は法律に基づき信託銀行に信託されています。

さらに信用取引では、どうでしょうか?

「信用取引」とは、証券会社から金銭や株式を借りて売買を行うことをいいます。

「信用取引」を行う場合には、担保を証券会社に差し入れなければなりません。

証券会社から融資を受けて株式を買い付けた場合はその買付株式が、

株式を借りて売り付けた場合は売却代金が、担保として証券会社にとどめ置かれます。これを「本担保」といいます。

この「本担保株式」や「本担保現金」については、融資の見合いとなっていることから、契約により証券会社が消費できる性質のものであるため、分別管理の対象となりません。

また、本担保株式の時価と証券会社から借りた金銭、本担保現金と売り付けた証券の時価との差額である「評価益」は顧客分別金の対象とはなりません。

そのため、信用取引の評価益については、一般債権者として破綻した証券会社の財産から債権額(評価益相当額)に応じて支払を受ける権利だけが残されています。

また、「信用取引」で買った株式が値下がりした場合や売った株式が値上がりした場合、損失が生じ、証券会社に預けている買付株式や売却代金だけでは担保が不足します。

そのため、価格変動に伴う損失による担保価値の減少をカバーするなどの目的で、「委託保証金」を、売買約定日の翌々日の所定時刻までに、証券会社に差し入れなければならないことになっています。

これを有価証券で代用することもできます。この委託保証金現金及び代用有価証券は分別管理の対象となります。

証券会社が分別管理を適正に行っていない場合には、法律で厳しい罰則等が定められています。

そこで、証券界では分別管理が適正に行われているかどうかについて、チェックする体制として、

証券会社は金融庁の検査や日本証券業協会の監査などを定期的に受けているのに加え、公認会計士などによるチェックを毎年受けることとされています。

証券会社の分別管理を前提とすれば、仮にその証券会社が破綻した場合でも、お客さまから預かった財産はお客さまに返還されることになります。

しかし、万が一破綻時に何らかの事故が発生するなどにより、証券会社がお客さまから預かった財産を円滑に返還できなくなった場合に備え、二次的に発動する仕組みとして投資者保護基金による補償制度が設けられています。

ただし、有価証券店頭デリバティブ取引や外国有価証券市場デリバティブ取引に係る証拠金等については、投資者保護基金の補償対象ではありません。

当社では、価証券店頭デリバティブ取引や外国有価証券市場デリバティブ取引は取り扱っておりません。

投資者保護基金は、有価証券の値下がり等により発生したお客さまの損失を補償するものではありません。

なお、投資者保護基金の補償制度の内容については、同基金のホームページ(http://jipf.or.jp/)をご覧ください。